ネズミの巣はどこに作られやすい?
ネズミは、温かく安全な環境を好む生き物です。そのため、屋根裏や断熱材の中、床下などの暖かくて心地良い場所は、巣を作られやすい典型的なエリアといえます。
また、食品や生ゴミが放置されている場所は、豊富な餌を求めるネズミにとって格好の住処です。ケーブルのある場所も巣作りの拠点にされることが多いでしょう。
ただし、巣が作られやすい場所は、ネズミの種類によって異なります。ネズミの種類ごとに、どのような場所を好むのかを確認しておきましょう。
クマネズミの場合
クマネズミは、運動能力が高く、高所で乾燥した場所を好む習性があります。警戒心が非常に強いため、人の目に触れにくく、身を隠しやすい暗い場所に巣を作るのが特徴です。
例えば、天井裏や屋根裏が代表的な巣作りの場所として知られています。これらの場所は、乾燥していて静かで、さらに高所であるため、クマネズミにとって理想的な環境です。
また、押し入れや天袋などの収納スペースの奥も巣が作られやすい場所といえます。暗くて静かなこれらの場所は、クマネズミが安全だと感じるようです。冷蔵庫の裏側にも、クマネズミが巣を作っている事例があります。
ドブネズミの場合
ドブネズミは、湿気のある場所を好み、風通しの悪い環境に巣を作る傾向があります。そのため、床下はドブネズミにとって理想的な住処です。
湿度が高く、暗く静かな床下の環境は、外敵の目を避けやすく快適であるため、巣作りの場所として選ばれます。
特に、気を付けたいのは、キッチンや水場の死角です。水や食べ物が近くにあるため、餌の確保が容易であり、湿気が多いため、ドブネズミが好んで巣を作ります。
湿気がこもりやすいシンク下や冷蔵庫の裏など、家具や家電の隙間も注意して観察してみましょう。
ハツカネズミの場合
ハツカネズミは体が小さいため、他のネズミが入り込めないような狭い場所にも巣を作れます。
倉庫や物置など、人の出入りが少なく静かで暗い環境や、家具や家電のわずかな隙間もハツカネズミが好む場所です。小柄な体を活かし、他のネズミでは侵入できない狭い空間でも快適に生活します。
さらに、ハツカネズミは植物性の餌を好むため、家の中だけでなく、畑や河原、荒れ地といった自然が多い環境にも巣を作る傾向です。
ネズミの巣の材料になるもの
ネズミは、周囲にあるさまざまな物を巣の材料として活用します。特に、紙類やダンボールなど、保温性が高い素材が好まれている傾向です。
紙類やダンボールは、簡単に加工できるうえ、巣を温かく保つのに適しているため、ネズミにとって格好の巣材となります。
また、ビニール袋や雑巾、タオルなどの布製品も巣作りに利用されやすい物です。さらに、建物内にある断熱材も巣材として利用されることがあり、ネズミがかじって利用しているのを見かけます。屋内のものだけでなく、屋外から持ち込まれる枯れた植物も、巣作りに使用されます。
天井裏や床下、家具や家電の隙間などに、これらの巣材を見つけた場合、ネズミの巣である可能性が高いでしょう。
ネズミの巣を見つけた場合の対処法
家の中でネズミの巣を見つけた場合、そのまま放置すると重大な被害に発展するおそれがあります。ネズミの巣を見つけた際は、正しい手順で適切に対応することが重要です。ここからは、巣の撤去から駆除まで、具体的な対処法を段階的に解説します。
ステップ1|ネズミの巣を撤去
ネズミは、わずか数センチの隙間からでも侵入できます。
ネズミの巣を発見した場合、その場所をすぐに塞ぐのは避けましょう。巣を取り出さずに塞いでしまうと、内部でネズミが死んでしまい、死骸が残って衛生面で問題を引き起こす可能性があります。必ず、ネズミの巣を完全に取り除いてから駆除してください。
巣を撤去する際は、ホウキとちり取りを使用してきれいに取り除きます。作業時には必ずマスクと手袋を着用し、直接触れないよう注意してください。
ネズミの巣には病原菌や寄生虫、ダニ、ノミなどが含まれている可能性が高く、アレルギー反応や高熱、下痢などの健康被害を引き起こすリスクがあります。撤去した巣は、ビニール袋などで密閉してから処分しましょう。
作業後は、巣があった場所を次亜塩素酸ナトリウム系の消毒薬で消毒し、病原菌や寄生虫の拡散をしっかりと防ぎます。また、作業中に着用していた衣服もすぐに洗濯し、ネズミが持つ病原菌や寄生虫が広がらないようにすることが大切です。
ステップ2|ネズミを駆除
巣を撤去しただけでは、家の中にネズミが残っている可能性が高いため、駆除作業も必要です。自力で駆除する際は、市販されている粘着シートやスプレー、超音波装置などの駆除グッズを活用しましょう。
特に、ネズミの通り道である「ラットサイン」に沿ってこれらのグッズを設置すると、効果的に捕獲や追い払いが可能です。ラットサインとは、何度もネズミが通るため、黒く跡が残っている箇所です。
一方、殺鼠剤の使用は慎重に検討する必要があります。殺鼠剤を使用すると、ネズミが壁の裏や天井裏など手の届かない場所で死んでしまい、死骸が放置されることで蛆が湧くなどの衛生問題が発生するおそれがあるためです。
ネズミに巣を作らせないためのポイント
ネズミの被害を未然に防ぐためには、巣を作らせない環境を整えることが重要です。一度巣を作られてしまうと、駆除や清掃に大きな手間がかかり、健康被害のリスクも高まります。
ここからは、ネズミに餌や巣材を与えない方法、侵入経路を塞ぐ方法など、具体的な対策について詳しく解説します。
ポイント1|餌になるものを放置しない
ネズミの侵入を防ぐためには、家の中に餌となるものを放置しないことが重要です。食べ物は、蓋付きの容器や扉付きの戸棚、冷蔵庫などに入れて保管し、ネズミがたどり着けないようにしましょう。
三角コーナーのゴミや生ゴミなどは置きっぱなしにせず、早めに処分してください。
ビニール袋に入れるなどして密閉しておくのもひとつの方法です。
空き缶を捨てる際は、一度洗いましょう。ニオイが漏れないようにすることが大切です。
仏壇のお供え物やペットフードも長期間放置せず、蓋付きの容器などに入れて保管しましょう。
また、固形石鹸もネズミが餌にするケースがあります。フルーツ系の香りがする天然素材の石鹸はネズミに狙われやすいため、陶器やガラス製など、かじれない素材の容器に保管するのが望ましいです。
ポイント2|巣の材料になるものを放置しない
紙類やダンボール、ビニール袋、布製品などは、保温性や柔軟性が高いため、巣作りに適しています。これらの物を放置しておくと、ネズミにとって快適な巣を作る材料となり、被害が拡大するおそれがあるのです。
対策として、不要な紙類やダンボールは速やかに処分し、布製品やビニール袋などは適切に収納しましょう。
特に、天井裏や床下、家具・家電の隙間など、ネズミが好んで巣を作りやすい場所には、巣材になるようなものを置かないようにしてください。
また、断熱材や古い衣類なども巣材として利用されることがあるため、定期的に点検し、必要に応じて整理しておくのが効果的です。
ポイント3|ネズミの侵入経路を塞ぐ
ネズミの侵入を防ぐためには、家屋の隙間や穴を徹底的に塞ぐことが重要です。ネズミはわずか1.5cm程度の隙間からでも侵入できるため、下記のような場所を重点的に確認し、対策をしていきましょう。
通気口や通風口 | 開口部は、ネズミの侵入経路となりやすいため、目の細かい金網や防鼠パテで覆います。 |
エアコンやガスなどの配管の隙間 | 配管周辺の隙間は、ネズミが入り込みやすいポイントです。防鼠パテやテープを使用して、隙間をしっかりと埋めましょう。 |
屋根や住居と基礎の隙間 | 建物の構造上生じる隙間も、ネズミの侵入経路となります。これらの隙間には、金網や防鼠材を用いて封鎖するのがおすすめです。 |
壁の亀裂 | 小さな亀裂でもネズミは通過してしまいます。発見した場合は、速やかに修繕し、侵入を防ぎましょう。 |
雨戸の戸袋や換気扇 | 定期的に点検し、必要に応じて防鼠対策を施してください。 |
これらの対策を取れば、ネズミの侵入を効果的に防げます。わずかな隙間がないか、しっかりと確認して対策するのが重要です。
ネズミの巣を見つけたら専門業者に相談!
ネズミは、わずかな隙間からでも侵入し、短期間で繁殖して数を増やすため、放置すると被害が拡大するリスクが高まります。
ネズミの巣を発見した場合は、速やかに巣を撤去し、同時にネズミの駆除も行うことが重要です。
しかし、素人が完全に駆除を行うのは非常に難しく、失敗するとネズミの警戒心が強まり、さらに駆除が困難になる可能性があります。このような状態を避けるためには、専門業者に依頼するのがおすすめです。
専門業者は、ネズミの習性や侵入経路を熟知しており、適切な方法で迅速かつ効果的に駆除を行います。
「防除研究所」では、超音波を利用した「スーパーハヤブサ」と呼ばれる撃退装置を活用しているため、ネズミが再び寄り付かないよう対策することが可能です。
また、最長5年間の保証(※)が付いており、万が一再発しても追加料金なしで再施工を依頼できるため、安心してご依頼いただけます。
ネズミの被害を根本的に解決するためには、専門業者による適切な対応が欠かせません。被害が拡大する前に、ぜひ一度「防除研究所」にご相談ください。
※別の箇所で害獣が発生した場合は、別途費用をいただく場合もあります。詳しくは駆除の担当者にご相談ください。
まとめ
ネズミの巣は、家の中に大きな被害をもたらす可能性があります。巣を作られやすい場所や材料を把握し、適切な対策を行うことで、ネズミの侵入や繁殖を防げます。もし巣を見つけた場合は、適切に撤去と駆除を行い、専門業者に相談することも検討しましょう。安全で快適な住環境を守るために、早めの対応を心がけてください。