ネズミ駆除で使用される超音波とは
ネズミ駆除用の超音波装置とは、ネズミの可聴域である200 Hz~50,000Hzの周波数の超音波を大音量で流す機器です。ネズミにとって騒音がひどく不快な環境にすることで、ネズミを追い出します。
日本では多くの動物が鳥獣保護法によって守られていますが、家ネズミに分類されるドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミは対象外です。
そのためネズミを駆除しても罰せられることがありませんが、薬剤や罠を使ってネズミを殺傷することに抵抗を覚える方は多いでしょう。このような場合に超音波を使用すれば、ネズミを殺傷することなく追い出せます。
なお、人間の可聴域は20 Hz~20,000Hzであり、ここに被ってしまうと人間にとっても騒音となるため、20,000Hz以上の超音波が使われるのが一般的です。
超音波だけでネズミを駆除するのは難しい!その理由は ?
先述の通り、超音波はネズミを傷つけることなく追い出すのに役立ちます。しかし、超音波だけで完璧にネズミを追い出すのは困難です。なぜ超音波だけではネズミを追い出しきれないのか、その理由を解説します。
超音波の効果は一時的であるため
超音波だけでネズミを追い出すのが難しい大きな理由は、効果が長続きしないことです。超音波はネズミにとって不快なものではありますが、危険なものではありません。そのため、長期間使い続けていると徐々にネズミが慣れてしまうのです。
2004年に発表された情報ではありますが、BSI生物科学研究所が行った実験では3~4日でネズミが超音波に慣れてしまったとの結果が出ています。
また、ネズミを追い出した後は、再侵入防止のために侵入経路を塞がなくてはなりません。しかし、ネズミは数センチの隙間から侵入してくることがあり、すべての侵入経路を塞ぐのが非常に困難です。
仮に超音波ですべてのネズミを追い出せたとしても侵入口を塞ぎきれず、被害が再発することもあります。
出典:BSI生物科学研究所「クマネズミとドブネズミに対する超音波防鼠器の効力試験」
超音波は壁で跳ね返るため
超音波だけではネズミを追い出しきれない理由として、超音波が壁で跳ね返ることもあげられます。
どこか1部屋で超音波装置を使用しても壁を隔てた他の部屋には超音波が届かないため、高い効果を得るにはあちこちに超音波装置を設置しなくてはなりません。超音波装置は1台1,000~10,000円程度であるため、複数台購入すると費用がかさみます。
しかし、ネズミは屋根裏や壁裏などに棲みつくことも多いため、お金をかけて超音波装置をたくさん置いても超音波が届かず効果が出ないこともあります。
本当に効果があるか判別しづらいため
超音波装置から発せられる超音波は人間には聞こえないので、超音波装置をオンにしても本当に超音波が出ているのかどうかがわかりません。
効果のない粗悪な超音波装置が売られているケースがあるのですが、そもそも音が聞こえないので粗悪品かどうかの判別が困難です。
そのため、気づかずに粗悪な超音波装置を購入してしまい、まったく効果がないものを使い続けてしまう可能性があります。
超音波以外でネズミを追い出す方法
超音波以外でネズミを追い出す方法として、下記の2つがあります。
・忌避剤を使う
・殺鼠剤を使う
それぞれの特徴ややり方、デメリットなどについて解説します。
忌避剤を使う
超音波以外でネズミを追い出す方法のひとつが忌避剤です。ネズミが嫌がるニオイを発する薬剤を使ってネズミを追い出します。ネズミ用の忌避剤には、主に「スプレータイプ」「燻煙(くんえん)タイプ」「設置タイプ」の3種類があります。
スプレータイプ | ・ネズミやネズミの移動経路などに直接薬剤を噴射する
・換気口や配管周り、雨戸の隙間などでの使用に向いている |
燻煙タイプ | ・薬剤が含まれた蒸気や煙を拡散する
・狭い場所や隙間などにも薬剤が行き渡るため、天井裏や床下などの広い場所での使用におすすめ |
設置タイプ | ・一定期間ネズミが嫌がるニオイを放つ薬剤を置いておく
・スプレータイプや燻煙タイプより効果が長持ちするため、ネズミの侵入口付近に設置すると再侵入防止に役立つ |
それぞれ使い方や適している場所が異なるため、上記を参考にどれが良いかを考えてみましょう。また、いずれも長期間効果が続くものではないので、繰り返し使用することが重要です。なお、忌避剤には下記のようなデメリットもあります。
・人間も不快に感じるニオイがする場合がある
・天然ハーブの忌避剤など、ネズミが慣れやすかったり効果がなかったりする製品がある
・燻煙タイプは食品や電子機器を保護し、部屋から退出する必要がある
上記の点を理解した上で、忌避剤を使用するかどうかを検討しましょう。
殺鼠剤を使う
ネズミを駆除する方法として殺鼠剤もあります。殺鼠剤とは毒餌のことです。家ネズミに分類されるネズミはいずれも雑食性なので、毒餌を食べさせる方法が有効とされています。
殺鼠剤には数時間程度で効果が出る急性毒のものと、4~5日ほど連続で食べさせることで効果が現れる慢性毒のものがありますが、ほとんどの殺鼠剤が慢性毒のタイプです。
どちらのタイプでも複数のネズミをまとめて駆除できるというメリットがある反面、下記のようなデメリットもあります。
・警戒心が強い、あるいは危険物と学習して食べない可能性がある
・ネズミの死骸を探すのが困難
殺鼠剤の使用後はネズミの死骸を処理する必要があります。しかし、天井裏や床下などで死んだ場合、死骸を見つけるのが困難です。死骸が見つからないと、そこで死骸が腐敗してしまい、悪臭や害虫が発生するなど不衛生な状態が続きます。
特に夏の暑い時季はネズミの死骸が腐敗しやすいため、殺鼠剤の使用は避けたほうが良いでしょう。
ネズミを駆除するなら専門業者に依頼するのがおすすめ
先述の通り、超音波は効果の持続期間が短い上に効果が出ているかどうかが確認しづらいため、超音波だけでネズミを追い出すのは大変です。また、複数台設置しないと十分な効果が得られない可能性が高いので、それなりにコストもかかります。
さらに、ネズミを追い出せたとしても、その後に侵入口を塞ぐなどの処置をしないと再発する場合もあり安心できません。忌避剤や殺鼠剤もデメリットが多いため、ネズミの駆除は専門業者に任せるのがおすすめです。
どの業者にネズミの駆除を依頼するか迷ったら、ぜひ「防除研究所」にご依頼ください。「防除研究所」なら超音波撃退機器「スーパーハヤブサ」を使用して、ネズミを寄せ付けない空間をつくることが可能です。
ネズミを追い払った後の侵入経路の封鎖や、施工後の効果測定も徹底しています。写真・動画付きで結果報告を行うため、確実にネズミが駆除できているかどうかを確認できるのもメリットです。
下記よりお問い合わせを受け付けていますので、ネズミの被害にお困りの方はぜひお気軽にご連絡ください。
まとめ
超音波はネズミにとって不快な環境をつくり出し、ネズミを追い出すのに役立ちます。
ただし、効果は一時的である場合が多く、複数台設置しないと十分な効果が得られないなどのデメリットもあります。また、人間には音が聞こえないので、効果が出ているのかを判断しにくいです。
忌避剤や殺鼠剤を使う手もありますが、忌避剤は効果持続期間が短く、殺鼠剤を使った場合は自分でネズミの死骸を処理しなくてはなりません。
いずれにしても自力で完璧にネズミを駆除するのは難しいため、ネズミ駆除に関する専門知識とスキルをもち、再発防止まで行ってくれる専門業者に任せることを検討してみましょう。