害獣駆除における超音波の効果とは?
超音波とは「周波数が高く、かつ人間が聞き取れない音」のことです。周波数とは1秒間で音の波が何回振動するのかを表したもので、「Hz(ヘルツ)」で表されます。
一般的に人間に聞き取れるのは周波数が20 Hz~20,000Hzの範囲といわれており、超音波は20,000Hz以上の音であるため人間の耳では聞き取れません。
しかし、人間には聞こえない20,000Hz以上の音を聞き取れる動物もおり、超音波装置が放つ特定の周波数が不快感を与える場合があります。特にネズミやコウモリなどの害獣は超音波の影響を受けやすいため、超音波で駆除できる可能性があります。
害獣駆除で超音波を使うメリット
害獣駆除で超音波を使うメリットとして、下記の3点があげられます。
・簡単に取り入れやすい
・安全に使える
・死骸を見なくて済む
それぞれの詳細を解説しますので、参考にしてみてください。
簡単に取り入れやすい
害獣駆除で超音波を使う大きなメリットが、簡単に取り入れられることです。ネットショップやホームセンターなどで超音波装置が販売されているため、手軽に入手できます。
コンセント式や電池式、ソーラー充電式などがあり、電池式とソーラー充電式はコンセントがない場所でも使用可能です。
また、最近はネズミやコウモリなど、害獣が嫌う周波数の超音波を出すスマートフォンアプリも登場しています。無料でダウンロードできるアプリもあるので、「超音波をちょっと試してみたい」というときに使ってみると良いでしょう。
安全に使える
薬剤や罠を使った駆除は、安全性が気になるという方もいるでしょう。特に小さな子どもがいると、うっかり薬剤を口に入れたり罠を触ってケガをしたりしないか不安を感じるものです。
超音波なら人間に聞こえることがなく、触ってケガをすることもありません。そのため、小さな子どもがいる家庭でも安全に使えます。
死骸を見なくて済む
薬剤や罠で害獣を駆除すると、害獣が死んでしまうことがあります。この場合、自分で死骸を処理しなくてはならないので、精神的に負担がかかるでしょう。
また、家ネズミ類3種(ドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミ)は鳥獣保護法の対象外ですが、それ以外の害獣の多くは鳥獣保護法の対象です。
鳥獣保護法で守られている動物を許可なく捕獲・殺傷すると罰則を科せられるため、害獣を殺傷するおそれのある薬剤や罠の使用はおすすめできません。
超音波であれば殺傷能力がないため、死骸が残ることがなく、鳥獣保護法違反になるリスクも軽減できます。
害獣駆除で超音波を使うデメリット
害獣駆除で超音波を使うことは、簡単で安全に使える、死骸を見なくて済むなどのメリットがある一方で下記のようなデメリットもあります。
・害獣が超音波に慣れてしまうことがある
・複数台設置する場合は費用がかかる
・ペットに影響を及ぼす可能性がある
上記の詳細についてみていきましょう。
害獣が超音波に慣れてしまうことがある
超音波は害獣にとって不快な音ではあるものの、危害が及ぶわけではありません。そのため、長期間使い続けると害獣が超音波に慣れてしまい、効果が得られなくなる場合があります。
早ければ数日で効果がなくなってしまうので、別の駆除方法との併用を考えなくてはなりません。また、どこか1か所で超音波装置を使用しても、超音波が届かない別の部屋に移動しただけで終わる場合もあります。
複数台設置する場合は費用がかかる
超音波装置は、害獣の侵入経路やフンなどの形跡を調べた上で設置する必要があります。しかし、数センチしかない小さな隙間や屋根裏などから侵入しているケースも多く、知識がない方が場所を特定するのは困難です。
また、超音波は柱や壁に遮られてしまうため、広範囲で効果を得るには超音波装置を複数台設置しなくてはなりません。超音波装置は1台あたり1,000~10,000円ほどするため、複数台用意すると費用がかさみます。
超音波が効かない害獣だったり、数日で慣れてしまって効果がなくなったりと、それなりの費用をかけたのに無駄になってしまうケースもあります。
ペットに影響を及ぼす可能性がある
超音波を害獣駆除に使うときには、駆除したい害獣に有効な周波数の超音波装置を用意する必要があります。
このとき注意したいのが、害獣に有効な周波数の超音波がペットにも影響を及ぼす場合があることです。例えば、ネズミに有効な周波数は、ペットのハムスターやウサギにもストレスを与えます。
ペットを飼っている場合は、事前に駆除したい害獣の可聴域と、ペットの可聴域が重なっていないかを調べておきましょう。
超音波以外で害獣を追い出す方法
費用がかかりすぎる、超音波の影響を受けやすいペットを飼っているなどの理由から、害獣駆除に超音波が使えないこともあるでしょう。そこで、超音波以外で害獣を追い出す方法を2つ紹介します。
忌避剤を使う
超音波以外の駆除方法として忌避剤があります。忌避剤とは、害獣が嫌うニオイのする薬剤のことです。嫌なニオイで不快感を与えることで害獣を追い払います。
忌避剤にはスプレータイプや燻煙(くんえん)タイプ、置き型タイプなどがあるので、害獣に合わせて選びましょう。
ただし、忌避剤も超音波と同じく殺傷能力がないため、ニオイが届かない別の部屋に害獣が移動しただけで終わる場合があります。また、害獣の侵入経路や巣の周辺に的確に設置する必要があるため、思うような効果が得られない可能性もあります。
侵入経路を塞ぐ
害獣が侵入しないように、侵入経路を塞ぐのも有効です。ただし、害獣が室内にいる状態で塞ぐとかえって害獣の駆除に苦労することになるため、忌避剤などで追い出した後に塞ぐ必要があります。
とはいえ、害獣の中には数センチの隙間からでも侵入できるものが多く、知識のない方が侵入経路を見つけるのは困難です。運良く侵入経路を見つけても塞ぎ方が甘く、簡単に突破されてしまう場合もあります。
害獣を駆除するなら専門業者へ依頼するのがおすすめ
超音波や忌避剤は手軽に実践できる害獣駆除の方法ですが、効果が得られないことも少なくありません。害獣に攻撃されると、害獣が保有している病原菌がうつるなどのリスクもあります。
自分で害獣駆除を行う方法やリスクについて、下記の記事でより詳しく解説していますので、ぜひこちらもご覧ください。
「自分で害獣駆除をすることは可能?正しい駆除方法やリスク」
さらに費用をかけたのに無駄になってしまうことも多いので、確実に駆除するなら専門業者に依頼するのがおすすめです。
防除研究所では、薬剤を極力使用しない「レスケミカル」な害獣駆除を実践しています。超音波撃退機器「スーパーハヤブサ」を使用し、害獣を寄せつけない空間をつくることも可能です。
施工後には被害が再発していないか、写真や動画を添えて報告するため、しっかりと害獣が駆除されているかどうかも確認できます。再発時の保証もあるので安心です。害獣被害にお困りの方は、ぜひ防除研究所へご相談ください。
まとめ
超音波装置は簡単に入手可能で死骸処理なども必要がない、手軽な害獣駆除方法です。スマートフォンアプリもあるので、害獣を追い出したい場合は一度試してみると良いでしょう。
ただし、害獣の侵入経路や形跡を調べて的確に使用しないと、別の部屋に逃げられただけで終わる可能性があります。複数台用意する必要があって費用がかさんだり、害獣が慣れてしまって効果がなくなったりすることも少なくありません。
思うような効果が得られないケースも多いので、確実に害獣を駆除したい場合は専門業者に依頼することを検討しましょう。