コウモリの巣が作られやすい場所の特徴
コウモリは、どこにでも巣を作るわけではなく、好んで棲みつく環境があります。自宅がその特徴に当てはまっていると、被害に遭う可能性が高くなるのです。まずは、コウモリが巣を作りやすい場所の共通点を押さえておきましょう。
特徴1|建物が古い
築年数の経った家や古い民家は、コウモリが巣を作りやすい傾向があります。経年劣化によって外壁や屋根に小さなヒビや隙間ができやすくなっており、そこから簡単に侵入されてしまうのです。
コウモリは、わずか2cmほどの隙間があれば入り込めるため、気付かないうちに屋根裏や壁の中に棲みついてしまうこともあります。
特徴2|暖かい
コウモリは、雨風をしのげて暖かい場所を好んで巣を作ります。これは、コウモリが人間と同じく体温を一定に保つ恒温動物であり、外気の影響を受けにくい場所を求める習性があるためです。
特に屋根裏や壁の中、瓦の隙間などは、外気を遮断しやすく、コウモリにとって快適な環境といえるでしょう。
特徴3|ぶら下がれる物がある
コウモリは、足の爪を使って逆さまにぶら下がりながら休む習性があるため、ぶら下がれる物がある場所を好んで選びます。
特にベランダには物干し竿やハンガーなどがあり、コウモリにとっては快適な休憩場所になりやすい環境です。
特徴4|虫が多い
コウモリは、エサとなる虫が多い場所に巣を作る傾向があります。家の近くに川や公園があったり、庭があったりする環境は虫が集まりやすく、コウモリも寄りつきやすくなるのです。
自宅周辺が自然豊かな場所であるほど、コウモリの被害に注意が必要でしょう。
コウモリの巣があることで起こりうるリスク
コウモリの巣を放置していると、見た目の問題だけでなく、生活にさまざまな悪影響を及ぼします。ここからは、実際に起こりうるリスクについて具体的に紹介します。
ニオイや汚れ
コウモリの巣があることを、もっとも早く気づくサインのひとつが、フンによる強烈なニオイです。ドブのような悪臭が周囲に漂い、室内にまでニオイが広がることもあります。
さらに、コウモリは体が小さいにもかかわらず、5~10mmほどの比較的大きなフンを大量に排出します。そのため、巣のある場所の床や壁、窓際などがすぐに汚れてしまうのです。
ベランダや物干し場の近くにフンが落ちると、洗濯物に付着するおそれもあり、日常生活に支障をきたす場合も少なくありません。
騒音被害
コウモリの巣が家にあると、夜間の騒音に悩まされます。羽ばたく際の「バサバサ」という音は意外に大きく、静かな夜ほど耳につきやすいでしょう。
また、コウモリの鳴き声は、人間には聞こえにくいとされることもありますが、実際には「キーキー」といった高い鳴き声が聞こえる場合もあります。
コウモリは夜行性のため、人間が寝ている時間帯に活動が活発になり、眠れなくなるなどの生活への影響が出るおそれもあるのです。
健康被害
コウモリの巣を放置すると、健康への悪影響が出る可能性があります。フンに含まれる病原菌や、体に寄生しているノミ・ダニが原因で、アレルギーや感染症などの被害につながることもあるため注意が必要です。
フンによる被害
コウモリのフンには、さまざまな病原菌が含まれており、放置すると健康被害を引き起こす可能性があります。特に乾燥したフンは、粉状になって空気中に舞いやすく、その微粒子を吸い込むことで喘息やアレルギー症状を悪化させるおそれもあるのです。
また、吸い込んだ菌が原因でヒストプラズマ症などの感染症を引き起こすリスクも指摘されています。
粉状になったフンは目に見えにくく、知らないうちに体内に取り込んでしまうおそれもあるでしょう。
ダニ・ノミによる被害
コウモリの体には、ノミやダニが寄生していることが多く、巣とともに発生する二次被害として注意が必要です。これらの寄生虫は、コウモリの体から離れて家の中に入り込むことがあり、洗濯物に付着するケースもあります。
洗濯物にノミやダニが付着したまま気付かずに取り込んでしまうと、室内にノミやダニが拡散し、アレルギー反応や皮膚のかゆみなど、さまざまな健康被害を引き起こす原因になります。
特に小さな子どもやお年寄り、ペットがいる家庭では、より慎重に対応しましょう。
コウモリの巣を見つけた際の対処法
コウモリの巣を見つけた際は、焦らずに正しい手順で対処することが重要です。誤った対応をすると、かえって被害が広がるおそれがあります。まずは、自分でできる基本的な対処法を確認しておきましょう。
撃退グッズを使用し追い出す
コウモリを自力で追い出す際は、専用の撃退グッズを使う方法が効果的です。代表的な撃退グッズは忌避剤で、煙で広範囲に効果を発揮する燻煙(くんえん)タイプと、狭い隙間などにピンポイントで使えるスプレータイプがあります。
屋根裏のような広い空間には燻煙タイプ、雨戸や通気口など狭い箇所にはスプレータイプがおすすめです。
また、コウモリが嫌う周波数を発する超音波装置を使う方法もあります。
どの方法を用いるにしても、すべてのコウモリが巣から出ていったことをしっかり確認することが重要です。確認を怠ると、内部に残っていたコウモリが再び巣を作ってしまうおそれがあります。
侵入経路を塞ぐ
コウモリを追い出すことに成功しても、そのままにしておくと再び同じ場所に戻ってくる可能性があるため、わずかな隙間もしっかり塞ぐことが重要です。
対策としては、通気口や換気扇まわりを、網目の小さいネットや目の細かい金網を使って塞ぎます。また、壁のひび割れや隙間などはシーリング材を使ってしっかりと埋めるのが効果的です。
古い建物ほど隙間が多く、再侵入のリスクが高まるため、家全体を丁寧にチェックして施工する必要があります。
掃除をする
コウモリを追い出した後は、巣の周辺に残されたフンや尿などの汚れをしっかり掃除する必要があります。衛生面のリスクを避けるため、作業時には手袋とマスクを着用して素手では触らないようにし、汚れても良い服装で行いましょう。
フンは、ほうきとちりとりで丁寧に取り除いた後、エタノールスプレーなどを使って消毒を行います。スプレーを吹きかけて数分間置いた後、雑巾などで拭き取ると効果的です。
また、掃除に使用した用具にも病原菌が付着している可能性があるため、使用後はしっかり洗浄・消毒を行います。
こうした対処を怠ると、健康被害につながるおそれがあるため徹底しましょう。
害獣の種類別の駆除の方法については、こちらの記事もあわせてご覧ください。
関連記事:「自分で害獣駆除をすることは可能?正しい駆除方法やリスク」
コウモリの巣を見かけた場合は防除研究所にご相談ください
コウモリの巣を見つけても、自力での対応に不安を感じる方は少なくありません。無理に対処すると、かえって被害が広がるおそれもあるため、専門業者への相談が安心です。
防除研究所では、年間約3,000件の施工実績をもとに、コウモリの侵入経路を的確に特定し、建物の状態や予算に応じた最適な施工プランを提案しています。
施工後は写真や動画を使って効果を報告しますので、二次被害の発生状況も確認可能です。さらに、最長5年間(※)の保証があるため、万が一再発した場合でも追加料金なしで再施工の依頼ができます。確実で安心な対策を求める方は、防除研究所までお気軽にご相談ください。
※別の箇所で害獣が発生した場合は、別途費用をいただく場合もあります。詳しくは担当者にご相談ください。
・被害状況
軒下にコウモリの巣が作られており、シャッターの隙間にはコウモリが棲みついていました。
・施工内容
シャッターにスプレータイプの忌避剤をかけたところ、複数のコウモリが飛び出していきました。軒下にはフンが蓄積されていたため、フンの清掃を行った後、消毒とニオイの除去を実施しました。コウモリはわずかな隙間でも侵入しやすいことから、再び侵入しないよう、侵入口を封鎖いたしました。
まとめ
コウモリの巣を放置すると、ニオイや健康被害など、さまざまなトラブルを引き起こします。発見したら、正しく対処することが大切です。不安な場合は、専門業者に相談して確実に駆除しましょう。