コウモリのフン対策は?放置するリスクや正しい対処法

家の周辺で黒っぽいフンのようなものを見つけて「もしかしてコウモリ?」と不安に感じていませんか。コウモリのフンは、放置すると衛生面や建物への悪影響を引き起こすおそれがあります。今回は、コウモリのフンの特徴やリスク、正しい対処法をわかりやすく解説します。


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コウモリのフンに見られる特徴

コウモリは夜行性の動物です。体温を維持するのに必要なエネルギーを確保するため、一晩のうちに体重の約半分にもなる量の虫を食べるといわれています。エサの摂取量が多い分、フンの量も多いです。

コウモリのフンは、茶色から黒色で、乾燥してパサパサしています。大きさはおおよそ5~10mmほどで、細長く、少しよじられたような形です。一見するとネズミのフンと間違えやすいですが、手で軽くつまむと崩れる点が異なります。

【図】コウモリのフン

また、フンが落ちている場所も特徴的です。軒先や屋根の下、ベランダ、雨戸の枠、換気扇のまわりなど、人目につきにくい場所にたまりやすい傾向があります。

こうした場所でフンを見つけた場合、近くにコウモリが棲みついている可能性があるため、早めに対応しましょう。

コウモリのフンがもたらす被害

コウモリのフンは見た目だけでなく、放置しておくとさまざまな被害を引き起こします。悪臭や汚れといった生活への支障だけでなく、健康リスクや家屋の劣化につながることもあるため、注意が必要です。ここからは具体的な被害について、みていきましょう。

強烈なニオイ・汚れ

コウモリのフンは、時間が経つにつれて強い悪臭を放つようになります。そのニオイはドブのように鼻をつくもので、不快感を覚えるほど強烈です。特に屋根裏や軒下など、密閉された空間にフンが溜まると、ニオイがこもって家全体に広がってしまうこともあります。

この悪臭は、人間にとって不快なだけでなく、他のコウモリを呼び寄せてしまう原因にもなります。コウモリは仲間の気配や残された痕跡をたどって集まる習性があるため、一度フンが放置されると、さらに被害が広がるおそれがあるのです。

また、コウモリが棲みついた場所の周辺では、フンが壁や床に付着して汚れが目立ちます。外に干していた洗濯物にフンが落ちるケースもあり、清潔な生活を脅かす原因になってしまうのです。

健康への悪影響

コウモリのフンには、さまざまな病原菌が含まれています。問題になるのは、そのフンが乾燥しやすい性質を持っている点です。乾燥したフンは粉末状になりやすく、わずかな風や人間の動きで空気中に舞い上がります。吸い込んでしまうと、喘息やアレルギー症状を引き起こす原因になるのです。

もともと呼吸器系に不安を抱えている方や、小さな子ども、高齢者がいる家庭では、特に注意が必要です。また、感染症を引き起こすリスクも否定できず、健康被害の拡大を防ぐためにも軽視できる問題ではありません。

家屋へのダメージ

コウモリのフンを長期間放置すると、家屋そのものにも深刻な被害を及ぼします。特に多いのが、天井にシミができるケースです。これは、フンや尿が天井裏に蓄積され、染み出してくることで起こります。見た目の劣化だけでなく、衛生面でも大きな問題です。

さらに深刻なのは、湿気や腐敗によって建材が傷み、天井材そのものの強度が低下してしまうことです。腐食が進行すると、最悪の場合、天井が抜け落ちるおそれもあります。こうした被害は目に見えない場所で静かに進行するため、気づいたときには修繕に多額の費用がかかることも少なくありません。

コウモリのフン被害に遭わないための対策

コウモリによるフン被害を防ぐには、被害が起きる前の対策が重要です。発生後に慌てて対応するのではなく、事前にコウモリを寄せつけない、侵入させない工夫をしておくと、被害を未然に防げます。ここからは、具体的な対策方法をみていきましょう。

コウモリを追い出す

コウモリのフン被害を防ぐためには、まずはコウモリそのものを追い出すことが先決です。その方法として代表的なものに、忌避剤の使用があげられます。忌避剤には、主に燻煙(くんえん)タイプとスプレータイプの2種類があり、使用する場所に応じて使い分けるのが効果的です。

広い空間や屋根裏など、人の手が届きにくい場所には、燻煙タイプが適しています。煙が隅々まで行き渡り、コウモリを一斉に追い出す効果が期待できます。一方で、狭い場所や局所的に使用したいときには、スプレータイプが便利です。出入口付近などに吹きかけておけば、再び侵入するのを防げます。

また、忌避剤以外には超音波を使う方法もあります。人間には聞こえない高周波の音を発して、コウモリが居心地の悪さを感じるようにする仕組みです。

超音波装置は、設置するだけなので手軽ですが、設置場所や周囲の構造によって効果に差が出る場合もあります。

超音波を使う場合の効果や、メリットとデメリットについては、下記の記事もあわせてご覧ください。

関連記事:「害獣駆除に超音波は効果あり?有効性とメリット・デメリットを解説

侵入を防止する

コウモリのフン被害を根本的に防ぐには、屋内に侵入させないための対策が欠かせません。コウモリは体が小さく、わずか2cmほどの隙間からでも簡単に入り込みます。そのため、家の外壁や屋根の継ぎ目、換気口、戸袋まわりなど、あらゆるすき間を点検し、侵入経路を塞ぐことが重要です。

侵入口を塞ぐには、金網やパンチングメタルのような通気性のある素材が一般的に使用されます。コーキング材やシーリング材を使って、細かい隙間を埋めるのも効果的です。

さらに予防策として、ジェルタイプの忌避剤を使用する方法もあります。コウモリが嫌がるニオイを発するため、出入りが見られる箇所や隙間の周りに塗布しておけば、物理的な封鎖と合わせてより高い効果が得られるでしょう。

自宅でコウモリのフンを見かけた際の対処法

自宅付近でコウモリのフンを見つけた場合は、すぐに掃除を行いましょう。フンを放置しておくと、他のコウモリや虫を呼び寄せてしまい、被害が拡大するおそれがあります。

フンには病原菌が含まれている可能性があるため、掃除の際はしっかりと防備をしておくのが重要です。

掃除に必要なものと手順は、下記の通りです。

■準備するもの

・ゴム手袋
・マスク
・ゴーグル(メガネでも可)
・使い捨ての服
・帽子
・ほうき
・ちりとり
・ゴミ袋
・雑巾
・殺菌スプレー
・消臭スプレー

■手順
1. 防備を整える
ゴム手袋とマスク、ゴーグル(またはメガネ)、帽子を着用し、皮膚や呼吸器をしっかり保護します。できれば使い捨てできる服で作業すると安心です。

2. ほうきやちりとりで丁寧に集める
ほうきとちりとりでフンを集め、ゴミ袋に入れます。掃き出す際に粉塵が舞わないよう、ゆっくり作業しましょう。フンをゴミ袋に入れたらしっかりと口を縛り、可燃ごみとして処分します。

3. 消毒を行う
フンを取り除いた場所は、殺菌スプレーを使用して消毒します。床や壁に染みが残っている場合は、雑巾でしっかり拭き取りましょう。また、匂いが気になる際は、消臭スプレーをかけておきます。

4. 使用した道具を処分する
使用した道具にも病原菌が付着しているおそれがあるため、ゴミ袋にまとめて処分することをおすすめします。

コウモリの被害に遭った場合は防除研究所へ

掃除をしてもフンが繰り返し落ちている場合は、コウモリがすでに屋根裏などに棲みついている可能性があります。その際は、無理に自分で対処せず、専門業者に相談するのがおすすめです。

防除研究所では、年間約3,000件の施工実績があり、豊富な経験をもとにコウモリの侵入経路を的確に特定します。建物の構造や予算に合わせて、最適な施工プランを提案しますので、初めて駆除業者を利用する方も安心してご相談ください。

また、施工後は写真や動画を用いた効果測定の報告を行い、再発防止の徹底も実施しています。最長5年間(※)の保証付きで、万が一再発しても追加料金なしで再施工が可能な点も心強いポイントです。

>>防除研究所へのお問い合わせはこちら

※別の箇所で害獣が発生した場合は、別途費用をいただく場合もあります。詳しくは担当者にご相談ください。

コウモリの駆除事例

・被害状況

民家の物置小屋で、コウモリが棲みついていました。主に窓のシャッターに棲みついていたことから、窓の下部にはフンがたくさん蓄積されている状況でした。

・施工内容

網戸を取り払った後に、手作業や掃除機でフンの清掃を行いました。その後、窓に棲みついていたコウモリの追い出しを実施しました。フンにはさまざまな菌やウイルスが付着しているため、フンを取り除いた後は、消毒を徹底的に行いました。

まとめ

コウモリのフンは、見過ごすと悪臭や健康被害、家屋の損傷につながるおそれがあります。早めにフンを掃除し、再侵入を防ぐ対策を講じることが大切です。自分での対処が難しい場合は、実績豊富な防除研究所に相談し、安心できる環境を整えましょう。

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